昨日、学生が一人相談に来た。先輩から「キャリアセンターの菊池さんに話を聴いて貰え!」と言われて私を訪ねてきたのだった。見るとイケメンでスポーツ系の若者。何が悩みなのかと聴いていくと、目標が見つからないと現状の自分で満足してしまう傾向があり、志望業界が定まらないとのこと。次男の甘えん坊タイプで可愛い彼女もいるというA君が考えている就職先は、安定感と地元という観点から「市役所」と周りからの評価が良いので「銀行」の2カ所である。ありがちである。
志望動機を聴いてみると、地元が好きだから。彼女の側にいたいから。
ここで1回「喝!」を入れてみる。
そこで、過去の経験を深掘りしていくと、6年間一つのスポーツに打ち込み、大学ではサークルも立ち上げた。その時は、結果を出すために努力し、チームメートと力を合わせてやり遂げてきたと言うではないか。素晴らしい体験談!しかし、今はその意欲は他では活かされていない。勿体ないなあ!その貴重な経験を活かそうじゃないのよ~
どうやら、周りで誰かが伴走していないと、現状維持の顔がもたげてしまうようなのだ・・その証拠に私からの宿題(自分の強み、学生時代に力を入れたことを文章化してみることと業界研究)を出されたときに嬉しそうな表情を見せていた。つまりは、「これをやって、次はこれ!」と指示してくれる人がいると頑張れるタイプのようだ。
そのような学生は、家庭環境が良くて人格も穏やかであり、成績も上のあたりに位置することが多い。今の自分でそこそこ勝負出来てしまうので、高見を目指さなくても生きていけるのだ。だが、やる気スイッチが入ると実力を発揮出来る人間なのである。
では、そのままでは何故いけないのか?なぜなら、深く考えて行動していないと、仕事に就いてから仕事への愛着を持ちにくく、やり甲斐と感じられにくくなってしまうから。せっかく就いた職業を簡単に手放すことにもなりかねないと思うからだ。
こちらからは、本人が納得した動機を抱き、就職活動を出来るようにサポートしたいと伝えた。
深く考え、自らが勝ち取る経験をどうやってさせてあげられるか、これもキャリアコンサルタントとしての腕の見せ所。来週、再訪予定のA君、業界研究の成果を見せてくれるか楽しみだ。期待しよう!
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